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たまごを通じたしあわせづくり。
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たまごを通じたしあわせづくり。

ストーリー

代表:滝沢 栄喜

「ブラウンエッグファーム」のストーリー

苦難の末の創業

 「ブラウンエッグファーム」は1970年、有限会社東信養鶏として私の父が創業しました。

 父は、信州大学で農業・畜産業について学び、農林水産省で勤め始めました。その後、大学時代の恩師から、新たに研究室を立上げるからと強く誘われ、東京農工大での勤務を開始しました。その頃、結婚をして子ども(つまり、私)の誕生を控え、当時の薄給では生活が立ち行かず、神奈川県相模原の農業高校で教師の職を得て働き始めました。

 ところが、3年ほど経ったところで緑内障を患ってしまい、教壇に立つことが出来なくなってしまいました。緑内障は進行性の病気で、視神経に障害が発生しすることで視野(見える範囲)が狭くなっていきます。日本人の失明原因の1位で、現在でも根本的な治療法は確立されていませんが、当時はもっと治療が困難で、失明には至らなかったものの教壇に立つことはできなくなりました。


 会社勤めなどできるはずもなく、父は郷里の長野に戻って農業を始めることにしました。養鶏の他、養豚やリンゴ・しいたけなども手がけたのですが、この7年間は父の教え子の皆さんが自動車免許を取って神奈川から長野に何人も訪ねてきてくれて、毎年賑やかな夏を過ごしていました。7年後の1970年には現在の佐久市(旧浅科村)に土地を求め、東信養鶏がスタートしました。

 長男である私は、緑内障で目がよく見えず、苦労しながら養鶏に取組む父親の背中を見て育ちました。父からは何も言われなかったものの、いつしか自分が後を継ぐほかないと覚悟を決めます。東京農大の畜産学科家畜飼養学研究室に所属し、ニワトリのエサについて学んだのち、親の仕事を手伝い始めました。

二代目社長

 大学で養鶏を最新の養鶏を学んできた自負がありましたから、父のやり方の異を唱えることも多く、しばしば言い争いになりました。

 振り返ってみますと、私の知識は机上の学問でしかなく、現場では父の言う方が正しかったことが多々あります。

 それでも、父は頭ごなしに私のやることを否定せず、できるだけ好きなようにやらせてくれました。後年、父は60歳で社長を退き、私に後を託す決断をしました。その後は、必要に応じて私を助ける役役回りに徹してくれました。危なっかしくて見ていられないことも多かったはずですが、勇気ある決断だったと感謝しています。


 父から私が引き継いだ養鶏のうち、現在の「ちゃたまや」につながる独特なやり方があります。当時、父親はいちから自分でエサを作っていたのです。自らエサを作る養鶏業者は極めて稀で、作っていたとしてもコストを抑えることが目的でしたが、父はおいしい卵を作るための手段としてエサを考えていました。

 私は、鶏のエサの配合について研究していましたが、当時はエサのコストをいかに抑えるかが学問の目的であり、人が食べておいしいたまごを作るために研究するという発想はなかったのです。

「浅間小町」の誕生

 おいしい卵を作るためのエサという考え方は大学でも取り入れられていませんでしたから、大学で学んだ私とは考え方が違い、私ははじめ父のやり方を軽視していました。ところが、エサの内容によって卵の味が大きく変わることに気づくできごとがありました。

 友人と飲みに行き、2次会、3次会とハシゴして、ベロベロに酔って訪れたスナックで、ママさんが炒り卵をソース焼きそばに載せてくれたのです。ところが、あまりの卵の味の違いに酔いが覚めてしまいました。どこで卵を買ったか尋ねると、「○○で」と返事がありました。

 私は普段、自社の卵を食べていたので、普通にスーパーで売っている卵の味を知らなかったんですね。


 そのとき、初めてじっくり考えました。高価な肉牛を育てる畜産農家は、おいしい牛肉を生みだすためにエサを工夫しています。柔らかい牛肉になるようビールを飲ませることについて聴いたことがあるかもしれません。しかし、養鶏では同じことをしておらず、ひたすら安い卵を作ることに力を注いでいたわけです。

 エサから作る父のやり方の優位性に気づき、もっとおいしい卵になるためのエサについて、何をどのくらい配合するとどんな味になるのか、試行錯誤を繰り返しました。養鶏の場合、エサを変更して2週間すると、卵の味が変わってきます。最後にたどり着いたおいしい卵が「浅間小町」です。

 このたまごは長野県で初めて実施された品評会で1等賞になり、長野県知事賞をいただきました。


 ノウハウが蓄積でき、いまではいちからエサを作ることはせず、エサの詳細まで指定して業者に製造してもらっています。しかし、相変わらずほとんどの養鶏業者はそこまでやっていません。ですから、浅間小町を食べたお客さんは、ほぼ例外なく味の違いに気づきます。

直売店「ちゃたまや」

 父から会社を引継ぎ、2001年に「有限会社ブラウンエッグファーム」に社名変更し、自信のたまごを多くのお客様に直接届けたいと思い、直売店舗「ちゃたまや」をオープンしました。直営店舗を構えるようになったころ、飼育する鶏の数は9万7千羽で、10万羽を目標にしていました。まもなく10万羽に到達したのですが、忙しくなっただけで、満足感を得ることができませんでした。事業の拡大を目標にしてきたので、なぜ満足感が得られないのか、自分でもわからない日々が続きました。

 浅間小町の味には絶対的な自信があったので、高くても「ちゃたまや」の卵しか食べたくないというファンを作って、ファンが買ってくれる卵の数に見合う鶏を飼育することにしました。ファンが1万人なら、その数に見合う卵を産める鶏を育てればいい、と覚悟を決めたのです。


 結果として、今では飼育する鶏の数を減らし、6-7万羽の鶏を育てています。「ちゃたまや」の卵を心からおいしいと言ってくれるお客さまに提供することで、一時は見失っていた事業の満足感を得られるようになりました。

スイーツの味は卵で決まる

 FMラジオの企画で長野県中の菓子の人気投票が行われたことがあります。トップ5のうち、1位(シュークリーム)と3位(プリン)は「ブラウンエッグファーム」の卵を使っていました。卵の生産者は無数にありますから、小規模事業者である「ブラウンエッグファーム」が1位と3位を獲ったことは驚異的なことです。

 目玉焼きや卵焼きにしておいしい卵を目指してきましたが、おいしいスイーツを作るためにも「ブラウンエッグファーム」の卵が向いているのだと気づきました。素材がよければ、素人が作っても、100点とは言わないまでもおいしい菓子が作れて、「ブラウンエッグファーム」の卵のファンを増やせるのではないかと考えるようになりました。殻にひびが入って、品質には問題がないものの出荷できない卵がありましたので、菓子作りに挑戦してみようと思い立ったのです。


 試行錯誤しながらおいしいスイーツ作りに取り組みました。菓子に向いている卵と、ひとがおいしいと感じる卵には違いがあるとわかってきました。いまでは、日本橋三越や札幌大丸で、「ちゃたまや」で作ったプリンを扱ってもらっています。先方から声がかかって大手デパートの店頭に並ぶようになりました。スイーツは素材次第と確信するようになりました。「ちゃたまや」の菓子の裏のラベルをご覧いただければ、驚くほど原材料が少ないことにお気づきになると思います。これはたまごの持つ「力」を、余すこと無く菓子に変えたものだとご理解いただけると思います。


 「ちゃたまや」の菓子がおいしいことにはもうひとつ秘密があって、例えば名古屋コーチンの卵を使った菓子といえば、「ちゃたまや」では100%名古屋コーチンの卵を使っています。実は、そういった作り方をしている菓子は一般には多くなく、“名古屋コーチン使用”と書いてあっても100%ではない場合が多いです。いまのやり方はコストが高くなってしまうのですが、こだわっている甲斐はあって味に反映されていると思います。


 現在では、飲食店・菓子店・パン店・ホテルなど、たまごの取引先が80社ほどあります。2023年4月には、軽井沢のホテルでおこなわれたG7外相会合での晩餐会で食された茶碗蒸しに平飼い浅間小町が使われ、信州を代表する食材として新聞・テレビにも取り上げられ、世界に発信されました。

たまごを通じたしあわせづくり ~スタッフの心をひとつにするキーワード~

 「ちゃたまや」では、鶏の飼育、たまごの製品化、店舗での加工販売、菓子作り、総菜の製造販売、ペットフード作りなど、あらゆる職場でスタッフが私以上に頑張ってくれていています。全員が違う仕事をしており、誰かひとりでも手を抜くと、すべてがぶち壊しになります。例えば、ひよこがよくなかったらおいしい卵は生まれないし、おいしい菓子にはなりません。

 犬のジャーキーについても同様で、親鶏から手作りで仕上げています。特別な技術は一切なくて、素材のよさを活かすようにみんなで力を合わせ頑張ってきたことが支持されている好例です。ブロッコリーが入っているジャーキーは、多くのペットフード店で人気№1になっています。


 振り返ってみますと、父親の代で20年、引き継いでから30年になりますが、どちらも10年に一度くらい潰れそうな危機に見舞われています。ただ、その都度、うちの会社はこんなに多くの人に支えられているのだなぁと気づかされるできごとがあり、存亡の危機を乗り越えてきました。


 お客さんに卵を褒めてもらうことが、仕事のやりがいです。「『ちゃたまや』の卵おいしいね!」「他の卵を食べてみたけど、やっぱりここの卵でないとダメだね」などと言ってもらうと、困難があってもがんばる原動力になっています。そして、おいしさを伝えてもらえることで、商品に関わったスタッフを誇らしく、ありがたく感じます。

 私は、自分自身がやりがいを感じる仕事の目的を、現場のスタッフ全員が共有できる言葉で表現したいと思うようになりました。スタッフによって担当する業務はさまざまですが、共通する目的意識は、おいしいたまごがもたらすお客さまの笑顔だと思い至り、「たまごを通じたしあわせづくり」を会社の理念として掲げることにしました。いまでは、この理念に共感するスタッフががんばり、長く勤めて「ブラウンエッグファーム」を支えてくれています。

エルゴチオネインとの出会い

 すでにお伝えしたように、「ブラウンエッグファーム」は「たまごを通じたしあわせづくり」を経営理念として頑張ってきました。

 ところが、「たまごを通じたしあわせづくり」の意味を根底から書き換えるできごとが起こりました。エルゴチオネインとの出会いです。それまでは、「たまごを通じたしあわせづくり」は、味だと思っていました。そして味を支える鮮度や安全性だと信じてきました。ところが、エルゴチオネインによって、それだけではない可能性が拡がりつつあります。


 東京海洋大学名誉教授の大島先生からエルゴチオネインについてはじめてお話を伺ったのは2012年のことです。エルゴチオネインは、地球上に存在する天然の物質の中でもっとも抗酸化力が強いことを知りました。エルゴチオネインはキノコ類に含まれているのですが、キノコは毎日食べる食材ではありません。毎日食べる食品にエルゴチオネインを含有させることができれば、健康に大きく好影響を与えられるはず、というのが大島先生のアイデアでした。卵は多くの人が毎日食べる食材なので、まさにうってつけです。

 その話を伺ったとき、会社の経営理念は、“たまごを通じたしあわせづくり”であり、味だけではない社会貢献ができるのではないかと直感し、是非うちでその取組みに関わらせて欲しいとお願いしました。快諾いただき、エルゴチオネインを含有する卵の共同開発を開始しました。


 共同開発を開始したのですが、はじめは先生の言葉の意味が理解できずに苦労しました。関連する書籍や論文などを読みあさり知識を蓄えて言いました。大学受験のときを遙かに凌ぎ、人生でもっとも真剣に勉強した数年間でした。

 共同開発の過程では、大島先生が何度も「ブラウンエッグファーム」の農場に足を運んでくださり、鶏にキノコを食べさせ、卵にエルゴチオネインが移るか、何度も検証しました。研究開始当初は、キノコを食べた動物にエルゴチオネインが移るか、世界でも確かめられていませんでした。その後大島先生の研究で、同じ試みをしても牛・豚の肉には移行しても、牛・山羊の乳では、成分が検出されないことがわかっています。


 苦労の甲斐あって「えるごらん命」が完成したのは2014年のことです。いまでも、エルゴチオネインを含む天然の食材で商品化されたのは「えるごらん命」だけです。抗加齢医学の専門家であり、順天堂大学大学院などで教授を歴任された白澤博士は1日2個の摂取を推奨しておられ、今後の拡がりに期待を抱いています。


 その後国内で、エルゴチオネイン研究会の立上げがありました。2023年11月には第4回の発表会があり、少しずつエルゴチオネインのことが明らかにされつつあります。

 薬事法の制約もあり、文面にしたりホームページに掲載することは出来ないのですが、学会での発表内容や自分たちが理解していること、過去に行った手荒れや子どもの学力のモニター試験の結果などについては、口頭で詳しく説明することは可能です。数人以上お集まりいただければ、職場や集会などに説明に伺います。お気軽にお申し付け下さいますと幸いです。

犬のおやつで、驚き!の効果

 えるごらん命を産んでいた鶏も、やがては卵を産まなくなります。「にわとり食堂」では、こうした「えるごらん命の親鶏」のささみやレバーなどの鶏肉を使って、犬のおやつも生産するようになりました。こだわりはここでも発揮されていて、すべてヒューマングレード、すなわち、人間が食べても安心できる原材料を使い、保存料・酸化防止剤・人工添加物などを一切使わない食品に仕上げています。

 以前から、「にわとり食堂」のおやつを食べさせると犬の毛並みがよくなったたというお声は聞いていたのですが、ビックリする出来事がありました。全身の毛が抜けてしまう脱毛症(脱毛症Xと診断されています)を患ったポメラニアンが、「ちゃたまや」のジャーキーとえるごらん命を食べ続けたところ、半年でフサフサになったというのです。あまりの劇的な変化に、私たちも獣医師の先生もビックリしました。
 現在、同じように脱毛症に苦しんでいるワンちゃんをモニターにして、同じ効果が再現するか検証中で、早くも効果が出始めています。症例が多くないので、医学的な観点からは結論を出せませんが、ワンちゃんの毛艶が気になる飼い主さんにとっては朗報になると期待しています。

 ときどき、エルゴチオネインおよびえるごらん命がひとの健康に与える影響についてお問い合わせいただきます。薬事法の制約もあり、私どもではお答えできないのは心苦しい限りですが、えるごらんについて自らお調べになったお客さまが、「ちゃたまや」のファンになって継続的にお買い上げいただくのはこの上ない喜びです。
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